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このページには、「サテライト会」の最新の活動情報を掲載します。
これまでのサテライト会開催のご案内については、こちら を、また、これまでのサテライト会開催の模様については、 こちら をご覧ください。

  
 
平成29年度サテライト会総会開催模様(12月1日)
遠藤会長よりご挨拶
平成29年度3回目のサテライト会は、本年最後の会合だったため、総会を兼ねて実施された。冒頭、遠藤会長より、今回は、講師に井ノ上直己KDDI 総合研究所メディアICT部門研究マネージャーをお迎えし、「未来社会においてAIは何ができるか?」という演題でご講演を頂くので、清聴をお願いしたいとの挨拶があった。今回も最近関心が高まっている興味深い演題だったため、36名という多数の参加をいただいた。

続いて稲垣幹事より、平成29年度の活動報告と会計報告および平成30年度の活動計画(案)について報告があり、承認された。なお、活動報告に絡めて参加人数の推移について報告があり、今年度の参加者数は、講師の方を含めて37名、37名、37名となっており、盛況が続いているとした。なお、最近KDDI総合研究所の方に講師をお願いするケースが増えており、社外講師の方で協力いただける適任者についての情報提供の依頼があった。来年度の幹事については、遠藤会長以下幹事も同じ顔触れを予定しているが、毎年1歳ずつ年を重ねているため、若い方の協力をお願いしたいとの補足が
井上さんより講師の紹介
あった。また、直前3回の会合で、連絡がなく欠席された方が7名おられた一方、連絡がなく直前に参加された方が5名おり、参加費はぎりぎりの設定で行っているため、止むを得ず参加できなくなった場合、遅くとも前日までに幹事にご一報をお願いした。

続いて、井上幹事より、KDDI財団が毎年開催している「チャリティコンサートクラッシック」を来年2月21日に紀尾井町ホールで予定しており、カンボジアやミャンマーの学校の教育支援に使われているので、是非ご協力をいただきたいとの紹介があった。

井上幹事より講師紹介が行われ、井ノ上氏から次のような補足があった。講師の井ノ上氏は、1984年にKDDに入社し、1987年にATR自動翻訳研究所に出向したのを皮切りに1991年にKDD研究所に復職したが、2005年にATRメディア情報科学研究所に出向、更に2009年にはNICTに出向と、34年間の会社勤務のうち16年間社外出向しているという珍しい会社員であるとした。また、奈良県の出身で出向先は京阪奈にある研究機関だったため、仕事がやり易かったとされた。これまでのKDD研究所時代および出向期間を通じて、音声認識、自然言語処理、音声翻訳、情報検索分野の研究に一貫して従事してきたとされた。
講師の井ノ上さん

講演では、先ず人工知能(Artificial Intelligence: AI)の定義についての解説があり、最近AIとして思い浮かべるものとして、自動運転車、囲碁&将棋、お掃除ロボット、AIスピーカー、iPhoneのSiri、対話ロボット等を挙げ、AIとは、デジタル大辞泉によれば、『コンピュータで記憶、推論、判断、学習を行い、人間の知的機能を代行できるようにモデル化されたソフトウェア』とした。更に、AIには、2種類のAIがあるとし、特定の決まった作業を行う特化型AIと、特定の作業に限定せず人間と同様の、あるいは人間以上の汎用能力を持ち合わせているAIに分けられるとした。前者は、弱いAI、後者は強いAIである。


続いて、AIの歴史的な位置づけについて、総務省情報通信白書を引用して解説があった。

① 1950~1960年代: コンピュータによる「推論」や「探索」が可能となり、特定の問題に対して解が提供できるようになった。自然言語処理による機械翻訳が特に注力された。

② 1980年代: 知識を与えることで人工知能(AI)が実用可能な水準に達し、多数のエキスパートシステムが生み出された。医療診断用エキスパートシステム等、知識/モデル等のエキスパートシステムの構築に関する研究が主流だった。

③ 2000年代~: 「ビッグデータ」と呼ばれている大量のデータを活用しAI自身が知識を獲得する「機械学習」が実用化された。次いで、知識を定義する要素(特徴量)をAIが自ら学習するディープラーニング(DL)が登場したことが、AIブームの背景にある。


更に、機械学習とディープラーニング(DL)の動向について解説があった。AIの進化を支えている技術として、画像認識技術の飛躍的な進歩について紹介があり、例えば、機械が猫と犬と狼を区別/識別する精度がDL技術の採用により飛躍的に向上しているとし、2012年までは、16.4%以上だった性能が、2014年に7.3%、2016年には3.57%になってきているとし、この精度は人間の5.1%を上回るレベルに達しているとした。
この進歩の鍵は、従来の機械学習では、入力画像から特徴を抽出する際に用いるパラメーターを人間が設計していたのに対し、DLでは、特徴およびリンクの重みを機械が獲得するようになってきたことが大きいとした。

DLに関する研究は、米国の主要IT企業が研究をリードしており、ソフトウェアがオープンソースで提供されている事も、大きな要因となっているとした。



最近のAIの研究動向について紹介があり、画像認識や音声認識の性能が向上してきているが、理解/判断の機能はまだまだ不十分で今後の課題であるとした。現在のAIの研究開発の主流は、弱いAIに関する研究が主体であるとした。具体的なビジネスへの応用分野としては、自動運転、顔認証、医療診断、無人コンビニを挙げた。

更に、自然言語翻訳への適用分野について言及があり、昔から研究されてきた機械翻訳の現状は、言語は一文だけ見ても正しく翻訳するのは難しく文脈を考えて翻訳しないと正しい翻訳ができないので、まだまだ発展途上であるとした。最近注目を浴びている商品としてAIスピーカーについても言及され、Amazon EchoやGoogle Home、Line Clova等は、簡単な要求に対する応答しかできない商品であるとした。また、AppleのSiriも、DLを活用したAIではなく、概念モデルの数や種類を幾つも用意して応答している商品であるとした。

最後に、KDDI研究所におけるAI関連の取組について紹介があった。
多言語翻訳: サーバ経由で音声翻訳 ⇒ 開発システムの訪日外国人向け実証実験中
SNS分析:  言語を分析して推定、ただし、DLを用いたものではない。

まとめとして、最近注目を浴びているAIは、画像認識性能が人間を上回るほど進化したことによるもので、自動運転や医療診断に代表される画像認識技術を有効に活用できる応用分野で今後も発展が期待され、特定の機能を代行する特化型AIが主流であるとし、人間と同等あるいは人間以上の能力を持った汎用型AIのレベルは、まだまだ不十分でAIが人間を支配するようになるのは、まだまだ先のことであるとした。ただし、AIの進化は目覚ましく、自動運転も高速道路だけであれば実用段階に達しつつあるとした。

講演の後、活発な質疑応答が行われ、参加者のAIに関する関心の高さを実感した。


 


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