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No.53

2015年 10月28日
佐藤 敏雄

ノーベル賞と絵のお話
 
 秋晴れの一日、子供たちに誘われ、ぶどう狩りに出かけた。山梨には数多くのぶどう園があり、この季節、客寄せが盛ん。広いぶどう園を散策する。食べ放題のほか、甲州、甲斐路など著名な銘柄が展示販売されている。特に最近作られたというマスカットシャインなる、緑さわやかな大粒の丸いぶどう、これが甘くておいしい。食べ放題の楽しい時間を過ごした後、韮崎にいい美術館があると聞いて行くことに。
 山梨出身の大村智さんがノーベル賞を受賞されたというニュースが耳新しかったが、まさかこの韮崎に、その大村さんが開設された美術館があるとは知らなかった。聞けばこの1週間は、先生の受賞を記念して入場は無料。この韮崎大村美術館。これまでは殆ど知られておらず、入場者は僅かだったようだが、今は多数の見学者で大賑わいだとか。
 下の写真はその無料の入場券である。大好きな片岡球子の富士山の絵もさることながら、右側にある英文の小さな美術館名に首をかしげた。「Art Museum」はよしとして、文頭の赤い丸い印は何だろうと。「ra」も分からない。しかし、よくよく見てみれば、赤い印は何と、電気抵抗を表す「Ω(オーム)」ではないか。そのΩ記号の後に、「ra Art Museum」とある。はたと気が付き、大村先生のユーモアに感じ入った次第。語り尽くされた感はあるが、先生はゴルフ場の土からみつけた微生物に着目され、そこから作られた薬が世界の難病を救うことになったとか。説明員によれば、先生は薬の特許料で「大儲け」されたが、全てをはたいてこの美術館を作った上、隣に「白山温泉」なる温泉宿まで作られたとか。経営術にも長けておられるような。

 この美術館には、片岡珠子の他、上村松園、三岸節子など著名な女流画家の絵をはじめ、濱田庄司の陶器や、私の知らなかった鈴木新太郎、ほか若手画家の作品で溢れている。先生の学問的な業績とそこに至るご努力は感服するばかりだが、その裏にあった「美」に対する慧眼は驚きの至りである。ぶどう狩りを兼ねて韮崎を訪れ、Ωra美術館を訪問されてはいかが。

以上



 


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