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伊原昭男さんの投稿

台風の爪痕 ~ 大企業とのバトル

2016年9月  
伊原昭男
  

「大組織対個人」の交渉(バトル)の話です。

先日8月22日、千葉県に上陸した台風9号で、田舎の(直径50㎝くらい)大木が途中でボッキリ折れ、NTTの電話線にのしかかってしまい、(もちろんワイヤーで補強されているので)電話線は切断されなかったものの、「く」の字に強く引っ張られ、両端の電柱は傾いてしまいました。 本当に、電話線が、よくぞ切れなかったものだ。

早速、NTTを呼んだところ、「高所作業車」が来たが、現場を見るなり、
「これは無理だ。 小さな枝なら切るけど、これは大きすぎて「クレーン車」が必要なので切れない。 
自分でクレーン車を雇って切ってほしい。」という。

「それはないでしょう! 『小さな枝は切るけど、大きな枝は切らない』とは筋が通らない。 納得できない。」と主張した。
また、「そもそも、NTTや東電等、公共事業者が、日本中の家庭から「基本料」を強制的に徴収しているのは、このような事態に備えるためでしょ。 NTTは常時、屋外設備を管理・保全し、電気通信サービスを安定的に提供する使命があるはずでしょ。」と、食い下がり、さらに、
「もし、NTTとして「切らない」という結論の場合は、「文書」でその「理由」を添えて回答してほしい。 当方の親戚に法律家がいるので、NTT法と電気通信事業法に照らし合わせ、法律家に相談する。」と迫った。

結局、NTTは現場の写真をバチバチ取り、本部に持ち帰って後で回答することになった。 
返事がなかなか来ないので、翌日の夜、「公道が塞がれたままなので、早く回答してほしい」、また、「時間がかかるようなら、こちらで業者を手配し、かかったコストをNTTに請求させてもらってもいい」と申し入れた。

結局、3日後の夜になって、NTTから正式回答があった。
『NTTでクレーン車を手配し、NTTで切らせていただきます。』 と。

僕は技術系だけど、たまたま立場上、「NTT法」や「電気通信事業法」を聞きかじっていたので、NTTの押しつけや脅しに、ひるむことなく、頑として対抗できたが、知識がなければ、(半分)「お上」のNTTに屈してしまったことだろう。 
怖い話だ。
多数派が、権力者が、声のデカい者が、必ずしも「正しい」とは限らない、良い例ですね。

交渉中、「台風で街路樹が倒れ、電話線を切った場合、NTTは「市」にコストを請求するんですか?」と聞いたところ、相手は苦し紛れに、かつ、いい加減に、「はい、請求することもあります」と即答したので、
「本当ですか?! 本当に請求するんですね! 確認できますね!」と畳みかけたら、相手はシドロモドロ、ヘロヘロ、「出まかせ」だったことも判明した。

しかし、疲れたよ。 一人で大組織を相手に交渉するのは疲れる。
でも、面白かったよ。 とっても。
また、良い勉強になった。 だから人間社会は面白いね。(ご参考まで。)

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ついでに、「なぜNTT(市原)は、制度違反(違法)を冒してまで、だだをこねたか」について、一つ、情報を追加します。
ポイントは、今回のNTTとの交渉(バトル)の中で、担当者が苦し紛れに発した「一言」です。

「『上』から、このような大変な(経費が掛かる)事案は当事者側に払ってもらえ、と言われているんです。」
という泣き言です。
ピンと来ました。

要するに、大NTT本体がそんな制度違反を全国に指令する訳はない。(国会で追及されて大問題になるし、社長は総務大臣にも呼び出されるだろう。)
大NTTとしては、「基本料」を強制的に徴収する「根拠」を失うことになるのだから。

NTTの地方局(市原)で起こった今回の案件は、要するに、NTTの民営化に伴い、「NTT市原」は上層部から、「売上げ」だの、「収支状況」だの、「利益率」だのと、厳しく詰め寄られているはずだ。 (今や民間企業だから当然のこと。)
「NTT市原」の管轄には森や林がいっぱいあって保全費用がかさみ、利益率は低くなる。(NTT市原の局長はいつも責められていることだろう。)
となると、制度面をよく知らない、(現場上がりの)ローカル「局長」は、保全部門に「経費削減」の大号令を発するのは自然なことだ。

多分、今回の僕の反論に合って、局長はかなり慌てたことだろう。
NTT本体に問合せ、身構えたことと思う。
かなり上層部(本社の制度部門)にまで話が上がったものと思われる。
なかなか返事が返って来ないこととも符合する。
特に、僕から「NTTが『できない』というのであれば、その理由を文書で回答してほしい。それをもって法律家に相談する。」と、言われれば、間違いなく、本社の制度部門に話を上げたはずだ。
そして、そんなこと(お客様にお金を払わせること)したらとんでもないことになる、と分かったんだろう。
このような動きは、同じような会社にいたからよくわかるのです。 「蛇(じゃ)の道はヘビ」。
この筋書きは、当たらずとも遠からず、多分ほとんど当たっていると思う。

今回、自分で納得できず、どう考えても、筋が通らないので、頑張ったが、近所に菓子折りを持って夫婦で挨拶に回った、とは言え、田舎の小さな公道を塞いでしまっていたので、早く片付いて本当に良かった。

僕は、「権力」を笠に着た政府や大企業・大組織が嫌いで、それを相手に戦う、弱い個人や少数派の映画が大好きです。
①家庭の主婦でありながら、巨大製薬会社の公害垂れ流しを訴えて勝利した、アメリカの実話の映画、これは大好きです。
②また、冤罪で投獄された無実の会計士の実話。 彼は刑務所で所長の横領作業にこき使われたのです。
この所長はこの会計士の再審請求を、自分の権限でことごとく握り潰し、自分の横領を隠す会計書改ざん作業をやらせるのです。 会計士は、証拠になる秘密文書を油紙で包み体に巻いて、トイレの排水管を通り抜けて脱獄し、悪徳所長を公に暴くのです。

ところで、NTTの伐採作業というと、台風9号が8月22日、
「NTTが全面的にやらせていただきます」と回答して来たのが8月25日の夜21:00、
伐採作業は翌日26日の朝一番で実施しました。 (さすがNTT! 決まったら早い。)

翌朝早く、NTTの「クレーン車」と「高所作業車」、作業員「4名」が来て準備、10:00過ぎには作業を開始した。
チェーンソーで小枝(と言っても直径15cmはある)を落とし、次に、太い幹(50cm)をクレーン車で吊るし上げ、
電話線を避けて市道に下ろして長さ40-50cmのブロックに刻んだ。
50cm立方の木片ブロックとは言え、「生木」なので一人では持ち上げられず、二人で運んで敷地内の、市道と境界上に並べた。
その他、折れ曲がった太い孟宗竹も7・8本切って竹山に運び入れてもらった。
作業は4人がかりなので、早い早い。 正味1時間半くらいで終わった。
家内が冷たい飲み物と果物をいっぱい出して、その場で談笑して12:00に帰って行った。

そのあとの片付け作業が大変だった。
大量に残った太い大きな枝を、一人で(腰を曲げて)チェーン・ソーで引き、茗荷山に山積みにした。 
また山に運び入れた、折れ曲がった孟宗竹も、一人で3・4mに刻んで、これも山積みした。

重労働だったが、NTTには感謝しつつ、気持ちは晴れ晴れだった。


 


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