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3月 シャンシャン(香香)、元気でね!
・新四季雑感(樫村慶一さん)
No.13(3月号)村山談話のこと
No.25(3月号) パリ・オペラ座とドガ
今月のコラム |
担当: 石垣 英明
☆ 雑感二題(徳川家康 / 人生そのものの問い) ☆
定年退職後、心豊かに過ごすにはどうすればよいか、自分の生き方を学ぶために選んだ道は仏様の教えに出会うことでした。僧侶を養成する中央仏教学院の通信教育で6年間、宗教、仏教、真宗、勤行作法を学び、得度習礼所で修行して浄土真宗の僧侶となりました。
今年の大河ドラマの「どうする家康」を視聴していて気づいたことは、家康が仏教にかかわる教えを、人生の目標にして生きていく糧としたことです。
その一つが徳川軍の旗印となった「厭離穢土 欣求浄土(えんりえどごんぐじょうど)」の八文字です。これは浄土教のことばで、「厭離穢土」は、不浄の世の中を厭い離れること。「欣求浄土」は極楽浄土を願うことを意味します。浄土教とは、浄土(仏の世界)に往生し、その浄土で修行してさとりを目指す教え・信仰を指します。浄土教を広めた高僧源信和尚(942~1017)の著書の「往生要集」の冒頭にこの言葉が記されています。家康がこの言葉と出遇ったのは、人質生活の終わりにもつながった、永禄3年(1560)の桶狭間合戦の時だとされています。この戦いで今川義元が討ち死にすると、今川方として参戦した家康は、岡崎・大樹寺に逃げ込み、先祖の墓の前で腹を切って果てようとしました。しかし、大樹寺住職の登誉上人(浄土宗の僧侶)から「厭離穢土 欣求浄土」の教えを説かれ、死を思いとどまって生きる決意をしたという。
「自分は、何のために生きているのか。自分を慕っている松平の家臣のため、領国民のため、乱世を終わらせ、この世を争いのない浄土にする」これが家康の理想となり、目標となったといわれています。
永禄6年(1563)9月、家康を窮地に追い込む出来事が勃発します。三河一向一揆です。この一揆は、家康の三大危機の一つにも数えられています。
三河の一向一揆は、一向宗(浄土真宗、本願寺派)の門徒による一揆で、家康と戦った一揆のリーダは本證寺住職の空誓聖人(蓮如上人の孫、浄土真宗本願寺派僧侶)でした。大河ドラマの戦いの場面で、阿弥陀如来像に向かって「南無阿弥陀仏」と唱える門信徒のシーンが印象的でした。三河でなぜ一揆がおこったのか、家康の家臣が本證寺から兵糧を強制的に徴収したことに絡んで偶発的に起きたといわれています。半年に及ぶ激戦の果てに、和議が成立し、一揆は鎮圧されました。浄土真宗の僧侶でなかったら、「どうする家康」の大河ドラマで描かれた家康と浄土真宗の関わりについて、興味をもつこともなかったと不思議な縁を感じます。
もう一つは認知症予防に関することです。厚生労働省によると2025年には約750万人(65歳以上の約5人に一人)が認知症を発症すると推計しています。認知症予防のための五つの心得を紹介いたします。
万、千、百、十、一 の数字になぞらえて覚える予防の心得です。
最初に万は万歩計を持つこと、一日4000歩から8000歩を歩くこと
次に千は、千字読む習慣をつけること、新聞とか本を読むこと、声に出して読むこと、百は100文字手書きすること、日記をつけるとか手紙やはがきをこまめにだすこと、十は一日10人の人と会う習慣をつけること、社会活動、ボランティア活動などで人と交流すること、最後の一は一日一回は大笑いすることです。
また趣味をもつことは、頭や体を使うという利点のほか、人との交流のきっかけになるなど認知症予防に最適です。私が65歳から始めたのが歌うことです。現在二つの混声合唱団に属しています。一つは親鸞聖人の御和讃を歌う合唱団です、宗教音楽に親しみ歌うことが生きがいになっています。もう一つは地域の混声合唱団で文部省唱歌をはじめ世界の音楽、そして現代のポピュラーの曲を二部合唱で皆で楽しく歌っています。
人は生まれたとき、何のために生まれたか説明もありません。いったい何のために人間に生まれたのか、自分はいったい何のために生きているのか、
仏陀は、人生を一日一日大切に生きること、100年生きるよりたった一日でも精一杯生きたほうが幸せと説かれています。いのちの長さではなく、人生をどのように生きたのか、生き抜く深さが問題です。
いのちの宿題の答えが与えられるのが仏教の教えだと思います。
あとがき |
WBC侍ジャパンが米国を破り世界一になりました。大きな感動を与えてくれました。
ノーベル賞作家の大江健三郎さんが逝去された。
最後の長編小説「晩年様式集」の作品は、命をつないでいく人類への信頼と希望の詩で締めくくられています。
「小さなものらに、老人は答えたい、
/私は生き直すことができない。しかし/
私らは生き直すことができる。」
新型コロナ対策のマスク着用が、「個人の判断」になった。新型コロナがなくなったわけでもないので、私自身は当面マスクの着用を続けたいとおもっています。
マンスリーレター次号は 楳本 龍夫 運営委員が担当します。
以 上

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END