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まちだより
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独楽の 達人

 

 先日、地元の小学校で1年生のための「日本の昔遊びを学ぼう」という体験教室のボランティアに緊急参加しました。というのも、「あやとり、おはじき、けん玉、メンコ、コマ」などを教えられる中高年を町会で募ったところ、「コマ回しだけは人手が足りない!」と町会長から連絡が来たからです。小さいときは、コマ回しが得意でしたし、コマに紐を巻き付けるくらいのことは、夕べも毛糸の糸巻きをしてたからなんとかなるわと、軽い気持ちでOKしたのでした。

 でも当日、会場入りしてギョッとしたのは、なんと全てのコマがブリキ製! とりあえず何十年かぶりに回しても、コマが軽すぎて、どこかに吹っ飛んでいきます。私たちが愛した昔の木製のコマはどこにいったのでしょうか
 悪戦苦闘しているうちに、キラキラとした瞳の子どもたちがドヤドヤと入ってきました。いやはや、引きつった笑みを浮かべて迎えると、そこで担任の先生が「今日は、コマの達人が来てますよー!」なんて追い打ちをかけるので、「ウワ~、すご~い!」と満場の拍手が沸き起こりました。このときほど、自分を「嘘つきオバサン」と思ったことはありません。それでも動揺を隠しつつ、紐かけを教えたのですが、6歳児のモミジのようなオテテではうまくいきません。私のガリバーもどきの手で一瞬で巻いてあげると、「どうして、そんなにプロなの?」と泣きたくなるほど可愛いい言葉に胸を打たれました。
 なんとか彼らの夢を壊さずプロの姿を見せようと「まあ、何事も練習よ」と偉そうに答えている自分がいました。巻いたコマを、子どもたちに「さあ、手首をきかせて、ちょっと引くように投げてごらん」などと言ったら、あーら不思議、回るではありませんか!そして予期せぬ子どもとの両手ハイタッチ!
 類まれなコマ回しの技術を持って生まれてきた子どもたちに救われた私ですが、来年は正真正銘のコマ達人を目指します。

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

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