2021年1月(1)
まちだより
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夢の宝くじ

 明けましておめでとうございます。丑年の皆様、重ねておめでとうございます。

 年末に「ジャンボ宝くじ」をお買い上げになった方々は、その結末はいかがだったでしょうか。運気に恵まれている方、数字に強い方などは、「買わなきゃ、当たらない!」とばかりに毎年欠かさず購入とお察しします。まさしく「継続は力なり」の格言も強い後ろ盾です。今回は、コロナの影響で大晦日の抽選会は無観客、年末特別コンサートも取りやめ、宝くじ公式サイトのクレジット不正利用の発覚など、多難だったとのこと。それでも当選者はいるわけで、きっとマスクの中から笑みがこぼれ出ているのではないかと羨ましい限りです。そういう私ですが、勝負運やくじ運には全くご縁が無いのか、神社のおみくじ以外、宝くじは人生一度も買ったことがありません。小さい頃に「宝くじに当たると交通事故に当たるのだ!」と自信たっぷりに言う友人がいて、それを鵜呑みにしてしまったことが「買えない」敗因かもしれません。この際、宝くじに当たる確率を真摯に受け止めてみようとネットで調べてみました。

 「15万円で500枚を買うと4万分の1の確率(1.25%)で当たる」のだそうで、ついでに、交通事故に遭遇する確率も調べてみると、「日本の人口1億2692万人が一生のうちで約67万人(0.528%)で当たる」と書いてあり、正月早々、数字で頭が痛くなってきましたがとにかく、宝くじのほうが当たる率は高いのだそうです。

 以前、宝くじ担当者から漏れ聞いたところ、「この仕事をしていて驚いたのは、普通のオバサンが普通に売り場に買いにくる。でも普通でないのが、金額だ」とのことでした。あらためて、そのオバサンはこの一年に死ぬ気で貯めたへそくりを夢のためにつぎ込むのだなとかってに納得しました。どうぞ、この「まちだより」の読者の中に当選者がいらしたら、こっそり当たるコツをお教えくださいませ。

 

(文 町田香子)

 

 

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メッセージもよろしく


 

 

2020年12月(2)
まちだより
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プロ集団の仲間入り

 今年も最後の「まちだより」となりました。お蔭様で今月21日に開催された今年最後のK-unet運営委員会も無事に終了しました。ソーシャルディスタンスを守りつつの会でしたが、久々の再会にマスク越しでも、皆様の目元から笑みを拝見できました。

 審議内容も滞りなく終わった頃、私の目下の悩みである「スマホの早すぎる充電切れ」の愚痴を聞いていただきました。なにせ近所のauショップでは、「もはや古いから新機種を!」「この既存の携帯番号を生かすなら2万円アップ」等々、ド素人の私は言われ放題、それでも充電器を購入してなんとか逃げ切ったのでした。するとすぐさま、皆様から的確なアドバイスをいただき、「アップルストアに持ち込む」「5780円ですむ」「新機種にさせるのは店が儲かるから」等々、さすがにこの運営委員会はITのプロ集団だなとしみじみ思いました。

 そして帰宅後は、今年1年間の「まちだより」を反省と改善を込めて読み直してみました。約20件の投稿は、ミスター・ゴーンやハリー王子の話題から始まり、高倉健、横山やすし、寅さんの芸能話から、緑のオバサンや小中学生の登校話、コロナ禍あれこれと思いつくままに書いておりました。そして4月の「保護された子猫を譲渡するまで育てるミルクボランティア試験」の顛末では落第したことを思い出し、改めて悲しくなりました。というのも、つい先週、動物愛護センターから「ねこ部通信」が来て、7人のミルクボランティアで「109匹の赤ちゃん猫」が無事に育ったことを知り、なんだか胸がキューンとなりました・・・。

 来年もまた、理系のプロの皆様には物足りない、文系町田の「まちだより」になりそうですが、どうぞ良いお年を迎えくださいませ。

 

(文 町田香子)

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆写真がいい、テーマがいい。

「まちだより」はおもしろい。定期的に街の様子を追い続け、写真とともに短い文をつけて便りを発信するエネルギーに感心します。

前回you-tuberになりたい子供の話、面白かった。その直後アメリカの子供がyou-tuberとして大成功したというニュースをテレビで見て納得した次第です。 鎌田

 

12/26 鎌田 光恵 


Re: 写真がいい、テーマがいい。
投稿日時: 12/29 町田 香子
>> 1

感想をありがとうございました!自分の投稿文とニュースがリンクすると、実に嬉しいですね。新聞は大事なネタがつまっているような気がしていて、好きです。これからも、ハッとするような情報に巡り会えるように、耳をダンボにしていきます!


 

 

2020年12月(1)
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ネギの魅力

 だいぶ寒くなってきた今日この頃です。うちでも3日に1回は鍋料理が食卓に鎮座ましましております。これだけ気温が低いと冷たい飲み物にも手が出ず、お蔭様で町田家ビール消費量も真夏に比べたら下降線の一途です。昨夕は、牡蠣鍋で前回は豚肉のしゃぶ鍋でした。この鍋料理の日々のせいか、夕暮れ時に買い物カゴにネギを入れた人を見かけるとホッコリした気持ちになります。思わず駆け寄って「今晩お宅は何鍋?」と聞きたくなる気持ちを抑えつつ、その家庭の鍋を囲んだ幸せそうな夕餉が心に浮かびます。

 実はこの「ネギ」を題材に、「まちだより」を書こうと思っていたところ、なんと朝日新聞のコラムに某作家が「ネギは魔術師」のタイトルで書いているではありませんか!彼曰く、「人がネギをさげている姿は無敵だ。どんな犯罪者もネギさえ持っていれば不審度は下がる。おまけに味と香りで料理を本物に変えてしまうネギは魔術師である」と。

 「ネギ話題」を先取りされた私の気持ちは、「ワー、私の題材よ~!」と地団太を踏むようでした。しかしながら読み進むうち、物書き特有の思慮深さに感銘を受け、ド素人の私が「ネギ論」を書いて対抗することはやめにしました。でもここは負けじと、ネギを使った美味しい鍋料理を作ることで溜飲を下げることにします。今夜は「ネギいっぱいのモツ鍋」です。

 

(文 町田香子)

 

 

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町田さんへのメッセージ


◆給食・食事 冬の鍋料理最高
いつもタイムリーな話題をありがとうございます。ピース松本

12/23 松本 房子 


Re: 冬の鍋料理最高
投稿日時: 19:23 町田 香子
>> 1

こちらこそ、感想をありがとうございました!何かタイムリーな話題がありましたら、お教えください!

町田


◆感性に乾杯

いつも投稿を楽しみにしています。感性というか着眼点ですね。

写真もずっとずっとお上手になりました。

12/23 京極 雅夫 


2. Re: 感性に乾杯
投稿日時: 19:30 町田 香子
>> 1
感想をありがとうございました!写真は、いつもウメ編集長のお力をお借りしています。笑。

何か面白い話題がありましたら、お聞かせください!

町田


 

 

2020年11月(2)

まちだより
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大きくなったら

  「大きくなったら何になる?」。そんな問いに最近は、「ユーチューバー!」と答える子が増えてきたそうです。どんな職種なのか、さっぱり私にはわかりませんでした。

 そもそも、ユーチューブというものは、この自粛期間中に「地獄の11分ダンス」で身体を動かしたり、1970年代のヒット曲を自宅で楽しむくらいなものでした。そこで「ユーチューバーとは何ぞや?」と調べてみると「自作の動画を投稿する人をさす。その動画の再生時間やチャンネル登録者数の条件を満たし審査を通ると広告収入を受け取れる」と書いてありました。そういえば、最近お笑い芸人が、月額1千万を越す収入があったと告白していたことを思い出します。「コツは毎日ネットにあげる、人気は本人の努力次第、演出能力が大切」などのようですが収入には羨望のため息が出ても、小難しくてやはり、マメでない私には無理なようです。

 昔の子どもたちは、女子は「お花屋さん」「お嫁さん」、男子は「車掌さん」「警察官」が定番で、聞いた大人も「オーッ、そうか、なれるといいね」が普通のリアクションだった気がします。そういう私も「国語の先生」になりたかったし、兄は「トヨペットのタクシーの運転手」でした。兄妹とも夢は実現しませんでしたが、それなりに60過ぎの大人になっています。

 今や、小学校低学年からプログラミングという授業でパソコンを自由に操る子どもたちが溢れているようです。「ユーチューバー」になりたい子が夢を叶えて幸せな人生を送ってほしいなと願うばかりです。でも幼稚園児のなりたいものに「大きくなたったら、ゾウさん」、「カボチャがいいな」という声を聞いたとき、そっちのほうになぜか限りない感動を覚えてしまいました・・・。

 

(文 町田香子)

 

 

 

 

2020年11月(1)

まちだより
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去年の今頃は・・・

 「行楽の秋」にふさわしい晴天が続くと、その強い太陽光線がまぶしくて、はじけたくなる気持ちになります。でも実際は、三密に怯え、お気軽に過ごしていた頃を思い出して「去年の今頃は~」と、懐かしむばかりです。

 そんな中、最近のスポーツ記事を読み、まさしく「去年の今頃」のある出来事を思い出しました。自宅近くのコジャレたイタリアンに家族で行ったところ、たまたま隣席が、長身の美女が3人。ノーメイクにジャージの人もいるのですが、その姿勢の良さと長い手と、素肌の白さに私の目が釘付けとなりました。しばらくして、颯爽と入ってきて合流したパンツスーツの女性も170センチ以上で、まるで宝塚歌劇団の男役トップスターのようです。その麗人が、まさにテーブル越しの私の隣りに座ったので、私はパスタを口に放り込みながらも、気になって仕方がありません!そして、ワインをそこそこ飲んで気がついたら、「すみません、もしや、宝塚の方々でしょうか?」と話しかけている自分がいました・・・。このオバサンの不躾な質問にキョトンとした美女軍団は、一斉に笑い出して、そのスーツの君が答えてくれました。「私たち、レッドロケッツのメンバーです」と。なんと、その軍団は我が川崎がホームの「バレーボールチーム・NECレッドロケッツ」の面々だったのです。

 さて、今季バレーボールのV1リーグが先月から開幕しました。現在彼女らは、昨季王者のJTマーヴェラスを打ち負かし、黒部・アクアフェアリーズに完勝して快進撃中です。キャプテンの「挑戦を続ける先に勝利がある」とのインタビュー記事に、あの颯爽としたスターのお姿が重なります。

 日本一まで頑張れー!

 

(文 町田香子)

 

 

 

2020年10月
まちだより
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緑のおばさん

 そろそろ大学の授業もリモートから対面授業へ、そして小・中・高校もそれなりに以前の登校の仕方に戻りつつあります。私の家の前の通学路からは毎朝、保育園児のワーワーキャーキャーした声が聞こえます。「オッ、ひよっこ軍団のお通りだ!」と、最近はその声が楽しみでしかたがありません。台所の窓から覗いてみれば、先頭の園長と思しき先生が、プロレスラーかと見間違うほど、屈強な男性だったので腰が抜けるほどビックリしましたが・・・。

 最近は、小学校前の横断歩道に「緑のおばさん」も登場で安心です。日常に戻りつつある登下校が嬉しいのか、子どもたちもマスクをしながらも、じゃれ合い叩き合っています。微笑ましく見ていると突然、そのおばさんが、「ダメじゃねーの、いくら親戚だって、叩いたら!痛いでねーの。何があったんだー?ふざけねえで、ちゃーんと歩けってば。ほら、あぶねえぞ」と大声で諭すではありませんか?思わず、ここは東北?と一瞬、錯覚に陥りました。

 それにしても、なぜおばさんは、あの学童が親戚同士と知っているのか、怒られても、なぜあの子たちは嬉しそうなのかと、その日は一日中、考えました。そして結論は、あのおばさんのキャリアは昨日今日で築き上げられたのではなく、「学童擁護員としての緑のおばさん道」として、たたきあげのプロだと畏敬の念を抱きました。そして、現在すべてのボランティア活動が休止中の私は羨ましくてたまらなくなったのでした。

 

(文 町田香子)

 

 

 

2020年9月(2)
まちだより
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マスク美人

 道行く人は、全てマスク、マスクの日常です。コロナ感染防止策の一手段だったのに、最近は「マスクがファッションになった」という風潮を感じます。ホラー作家の平山夢明氏が「マスク美人が多くなった」と言えば、瀬戸内寂聴さんは「マスクは魔物」とまでおしゃっています。確かに、マスク姿の眼光鋭い男性や、大きな潤んだ目のお嬢さんと相対して話しをすれば思わず、理想的な顔立ちをかってに想像して見惚れてしまうかもです。

 私は、マスクがファッション化した一因はテレビで報道される政治家たちの個性的マスクのインパクトにあると思います。特に都知事・小池百合子氏のマスクには興味がありました。2度とテレビで同じ物を見たことが無いし、生地もレースなどの高価で凝ったものが多く、手作り感が満載です。お忙しい百合子氏がまさか、ご自分でお裁縫はなさらないと思ってましたから、記者会見で「ご近所の方の手作り品です」との答えを聞いて、「わが意を得たり」と私のホームソーイング熱が再燃しました。自粛期間中、朝日新聞に掲載されていた「ハンカチからマスクへ」の型紙を元に、子どもたちの幼稚園の頃のハンカチを引っ張りだしてきて縫うこと5枚!

 これを付けて商店街を歩くと、小さな子どもたちがキラキラした瞳で、嬉しそうに私を見つめるのです。思わず「なぜ?」と不思議だった私の疑問は、同じ歳の友人の一言で解決しました。「町田さん、いまさら、ちびまる子やキティちゃんの柄でもないんじゃない?」。

 きっと、子どもたちには、私は「マスク美人」じゃないけど、「楽しいマスクおばちゃん」くらいには見えているのではと、遊園地の人気者気分を味わっています。

 

(文 町田香子)

 

 

 

2020年9月(1)
まちだより
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怒りのゆくえ

 すでに暦は秋だというのに、相変わらずの高温多湿の日々では、どうにも身体がついていきません。

 そんな蒸し暑い昼下がり、少しばかりの庭のゴーヤやキュウリに水をやろうと、重い腰をあげて外に出ると、オジイサンらしき怒鳴り声が聞こえるではありませんか。その声の主はと見れば、道を隔てた医院の前で、バイクの郵便配達員に向かって、「入口のまん前に止めるとはけしからん。ワシの自転車が出しにくいじゃないか!」と憤懣やるかたなし状態です。その配達員はひたすら頭を下げてあやまっているのに・・・。私は、「この36度の炎天下、郵便物を届ける人に感謝もないのだろうか!可哀想過ぎる!」とオジイサンの理不尽さに腹がたちました。

 怒りという負の連鎖を貰ってしまった私はどうにも怒りの落としどころが無く、しばし呆然と立っていると、その配達員がうちの前に郵便物を届けにきました。思わず、「この暑い中ご苦労様です。今度医院の前で何か言われたら、うちの前でゆっくり止めてください。頑張ってくださいね」と震える声で励ましの言葉をかけてしまいました。すると、その彼から、「ありがとうございます。実は今日がこの地域の初日で要領がよくわからなくて」と、何事にも動じない声を聞いた途端、安堵からか涙が出そうになってしまいました。彼の凛とした郵便配達員としての態度は、「オジイサンより大人だ!」と私にとって、怒りに打ち勝つ速攻カンフル剤を貰ったようでした。

 そういえば、学生時代は、どんなに「アタマにくる事」や「イラつく事」があっても、合気道を道場で1時間も稽古すれば、きれいサッパリと忘れて、授業に出ていました。今では、「ああでもない、こうでもない」と悩む私は、古代ギリシャのエピクテトスの有名な言葉「幸福への道は1つ。意思の力でどうにもならないことは悩まないこと」に励まされています。

 

(文 町田香子)

 

 

 

2020年8月(2)
まちだより
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若き日のアルバイト

 今や、猛暑とコロナ禍で外食もままならぬ日々ですが、料理のデリバリー産業が脚光を浴びているようです。街を歩けば、上から下まで黒ずくめで、「UberEats」と書かれた、角ばった黒リュックを背負い、自転車で疾走している男性をよく見かけます。そのリュックの横には、この炎天下、「これだけで足りるの?」と私ごときが心配するようなペットボトルの飲料水がチョコンと入るポケットがあるだけです。そういえば、このバイトの方々に太った方も女性も見受けられません。どれだけ過酷なのでしょうか。

 先日、ファストフードショップのジュースの列に並んでいたところ、この黒ずくめの方がツカツカと列の前に行き、あらかじめ予約していたと思われるスマホの番号を見せて、商品をゲットすると、脱兎のごとく走り去っていきました。その無駄の無い彼の動線や、プロサッカー選手にも見間違う素早い動きに、ひたすら見とれました。そして思わず「若くなきゃあ、できないバイトだ・・・」とつぶやきました。

 私の若い頃は、父親よりも母親がバイトには大反対でしたが、それでも内緒で探しては敢行しました。憧れのマクドナルドでは、体育会系の大きな体の店長にいつも、「吉岡―っ!」(私の旧姓です)と、どやされましたし、航空写真の色塗りバイトでは、ミリ単位の細かい作業だったので、視力が落ちてバイト代で眼鏡を買いました。テレビ局の選挙時のスタッフへの弁当配りは暇すぎましたが、いろいろな芸能人を見かけ、その身体の細さにテレビの画面は嘘つきだと思ったりもしました。

 社会人になっての飲み会では、皆「若き頃のバイト自慢」で、よく盛り上がりましたっけ。しかしある時、先輩の一言で座が静かになりました。「学生時代は学費のために牛乳配達に明け暮れた。でも、ありがたかったのは毎日あまった牛乳を飲めたことで、それは命の糧だった」と・・・。

 

(写真と文 町田香子)

 

 

2020年8月(1)
まちだより
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心に優しい言葉

 東京のコロナ感染者が一日で500人突破もそう遠くないであろうと言われている昨今ですが、怖いものに蓋をするがごとく見ざる、聞かざると、読書に励む日々です。先日なにげに手にした本の中で、フランスの二十歳の女性イラストレーターが書いた「翻訳できない世界の言葉」という本がありました。字が小さいとか横文字が多いなら、2~3ページで「やーめたっ」となるのですがページをめくってみると、あらあら、可愛いイラスト付きで色々な国の言葉が、お国柄を表していて面白いのです。そして、なにより彼女特有の翻訳が心に響きました。たとえば、ノルウエー語で「フォルスケット」は「語れないほど幸福な恋に落ちること」、ロシア語の「ラズリュビッチ」は「恋が冷め、ほろ苦い気持ち」、ペルシャ語の「ティヤム」は「初めてその人に会ったときの自分の目の輝き」などなど、なんてロマンティックなのでしょうか。そして、思わず笑ってしまったのは、マレー語の「ピサンザブラ」は「バナナを食べる所要時間」、インドネシア語の「ジュユス」は「笑えないひどいジョーク」、極めつけは、カリブ・スペイン語の「コティスエルト」で「シャツの裾をズボンに絶対入れない男」でした。

 行ったことのない国に存在するステキな言葉によって、しばし優しさに包まれた感じがしました。ちなみに日本の言葉では、「わび、さび」「こもれび」などが翻訳しにくいそうですが、私も彼女を見習ってどこかの国の一人でも心の琴線に触れるように日本語を訳したいなと思いました。

 

(文 町田香子)

 

 

 

2020年7月

まちだより

 

 

女子会こぼれ話

 最近、東京のコロナ感染者がまさかの200人越えですが、先月の自粛生活緩和後にこのようなことが起こるとは、まるで悪夢を見ているような日々です。

 緩和後にまず私のしたかったことは、いつもなかなか会えないひとりの後輩女子とのおしゃべりでした。彼女とは、同じ神奈川県在住で、同じ出身校、そして父親同士が「海軍経理学校」の先輩後輩にあたるという偶然にしては極めて珍しい出会いがありました。そして彼女の仕事は、南太平洋に浮かぶ、とある島のホテルの幹部です。このコロナ騒動の煽りを受けて、そのホテルが休業、飛行機も日本から飛ばなくなってしまったのです。「ホント、ヒマ~!」という悲鳴にも似た彼女のメール文字を見て、さっそく返信、半年ぶりのランチと相成ったのです。

 彼女と私が会えば、天国の父たちをサカナにノンベエ同士が一気に盛りあがるのは、同じ海軍の血が流れているから当たり前と思っていたのですが、今回は彼女が「大好きな父への想い」を吐露し、こちらまで胸が熱くなりました。彼女の父上は靴磨きを日課にしていて、その背中を見ていた彼女は2歳から父上の靴磨きに励んだこと。お駄賃なんて何のその、ひたすら父上の喜ぶ顔が見たくて毎日磨き、父上の後姿が見えなくなるまで、毎朝手を振って見送ったとのことでした。そして父上が出かけたあとの玄関の上がりかまちの下には、「男の下駄」しか置いてはいけないという鉄則があったというのです。意味がわからない私に彼女の答えは、「押し売り防止策の父の知恵」でした。そういえば小さな頃、うちの玄関先に「昨日、出所したんだけど、ゴムひも買ってくんないか?」というわけのわからないオジサンがよく来て、しかたなく買っていた母親の横顔を思い出しました。彼女の父上のもう1つのルーティンはお風呂の時に自分の下着を洗うことでしたが、それは私の父も同じで、なぜか、いまだに娘の私にも受け継がれています。

 

(写真と文 町田香子)

 

 

 

2020年6月(2)

まちだより

 

 

本に囲まれる幸せ

 自粛生活もなんとか明けて、私にとって一番嬉しいのはなんといっても図書館の再開です。といっても館内の閲覧はまだできませんが、ネットで予約していた本の受け取りが可能になりました。開館前日に7冊にも及ぶ「予約本・確保」メールを見たときには、図書館に行く事がまるで、明日の遠足を心待ちにする小学生のようなワクワク感に包まれました。まさに、私の巣ごもり生活からの初の脱却行動です。待ちに待った7冊を自宅の机上にドカンと乗せたときの私のニンマリ顔は、多分、不労所得で100万円の配当金を貰った株主のような、いや、予想屋からのアドバイスで大穴を当てた競馬ファンの喜びの顔だったかもしれません。

 しかしながら、ここからです。長く待たされた割には、肩透かしを食らうことは必ずあるんだと思い知らされたのは。「高倉健・その愛」は、筆者である養女が書いた内容がどうにも納得がいかず途中で投げだし、またタイトルが気にいった「ハジの多い人生」というエッセイ集は、どんなくたびれたオジサンの笑える黄昏た内容かと思いきや、Web育ちでニューヨーク在住の綺麗な女性で、その幸せ感満載についていけませんでした。

 でも、くじけず読書生活を敢行、最後の7冊目に、思いがけない本との出会いがありました。国民的人気者・寅さんをとその周辺人物をめぐる謎を検証した「車寅次郎の不思議」です。時代を問わず、26年間48作にも及ぶ寅さんシリーズの寅さんの温かでシャイな性格に触れて、現在も続くコロナ騒動の不安な日々をしばし忘れました。そして、この本の完読後に思いがけないハプニングが!ある会合で、地元の49歳の若手社長と話す機会がありました。彼曰く「渥美清さんの息子さんの田所君とは高校時代にクラスメートだったんです。息子って知らなくて、『寅さんて、メチャクチャ面白いよな。俳優は渥美清が最高だし、歌手は絶対Nだぜ!』と言ってたらその後、田所君から、歌手Nのサインを突然プレゼントされたんです」とのこと。やっぱり寅さんは、良いパパだったのだなあと思いました。

 

(写真と文 町田香子)

 

 

2020年6月(1)

まちだより

 

 

誕生日を迎えて

  6月もあっというまに、梅雨入りの季節となりました。旧暦「水無月」は、水の無い月と書くのに、雨ばかりではないかと毎年同じことを考えながら、これまた毎年この水無月8日には誕生日を迎えます。6月に入っての1週間は、なんだかソワソワしてどうにも落ち着きません。スーパーに行けば、牛乳でも賞味期限が「6月8日」を思わず手にしていますし、野球の試合でも背番号68番の選手はいないかと、やけに「その日」を意識している自分がいます。今や誕生日とは、老いていく1年を「せっつかれ感」に押され、焦燥感に駆られるのでしょうか。「何かやらねば」と、「為せばなる」といったよくわからない感情が一日中交錯します。

 小さい頃の誕生日は単純に最高に嬉しくて、世界中の人々が自分を祝ってくれるような高揚感がありました。若い頃には、単に同じ誕生日というだけで、作曲家シューマン、天文学者カッシーニ、歌手のナンシー・シナトラなどとは、仲間意識さえありました。しかし、あるとき、20世紀前半に活躍したフランスの有名な女性画家マリー・ローランサンの亡くなった日を見てビックリしました。まさしく私の生まれた日だったのです。長年「徹子の部屋」の番組のセットで飾ってあった、パステルカラー調の女性らしい絵で私もファンでした。ピカソとお友達で、フェミニンそのものの彼女に「私は、ローランサンの生まれ変わりかしらん」と一瞬でも思ったことを失礼と思ったのは、彼女の写真と詩に出会ったときでした。ピシっと背筋の伸びた細面の彼女が書いた詩を、あの堀口大学が訳していました。「死んだ女より、もっと哀れなのは忘れられた女です」。私にはない素晴らしい感性の持ち主だとしみじみです。

 

(写真と文 町田香子)

 

2020年5月(2)

まちだより

 

 

早朝散歩

  寒かったり暑かったりの日々に、体調管理も難しい中、自粛生活も約2ヵ月になりました。ジムも喫茶店も、はては最高の趣味である図書館通いも遠のき、行き場の無くなったこの私を、家族の目が、いや、飼い猫までもが最近は憐れみの視線に変わってきた今日この頃です。毎日、真面目に裁縫、料理、掃除に励んでいたのですが、スカートやズボンを仕上げれば仕上げる程、着ていく所が無いという寂しさを感じ、凝った料理を作れば作るほど、体重増加との葛藤が始まり、庭掃除は腰痛のと闘いが待っていました。追い打ちをかけたのが早朝に目覚めてしまったら、もう目が冴えて眠れないという睡眠不足でした。

 そんなある日、思い立ったのが早朝散歩です。眠れないなら起きてしまえ!という安易な発想でしたが、これがけっこう、自分に合うのです。自宅近くの公園3ヶ所を日替わりでその日の天気と体調に合わせて往復歩きます。どの公園にも散歩グッズとして、自作のコーヒー、本、新聞を三種の神器のように持参します。驚いたことに、私のような散歩の人がすでにベンチを占領しているときもあるのです。

 この早朝散歩には、時々ドラマがあります。先日は、朝から缶ビール片手のオジサンが、若きパパと坊やのキャッチボールを異常とも思える褒め方で応援、コンビ二の袋からお菓子をあげていましたっけ。飛び上がって喜ぶ坊やの姿が実に可愛らしかったです。今週もハプニングがありました。公園近くの豪邸のアーチに咲き誇る大輪の白バラが、「どうぞ、トゲに気をつけてお持ちください」との紙とともに切花となって玄関前に置いてあるではありませんか。思わずバックからペンと手帳の端切れに、「ありがとうございます。3本だけいただいて、自宅で飾らせていただきます」と書き置きを残しました。いまだに、我が居間で高貴な香りを放ち、幸せな気持ちに包まれています。

(写真と文 町田香子)

 

2020年5月(1)

まちだより

 

 

頑張れ 中学生!

 電車の乗り方も忘れてしまったような日々を過ごしていますが、振り返れば現代は駅も駅の看板も見事な発展を遂げてきたなあと思うことがあります。

 「バカ者がりっぱな会社に入れるわけがないだろ」。そんな声が聞えてきたのは、去年末の実家がある東急線大岡山駅のホーム。見れば3人の中学生が、ホームの看板広告を見ながらブツブツと話し合っています。彼らの視線の先を追えば、『求めているのはバカ者!』という強烈なキャッチコピーで、広告主は某エンジニアリング会社。なるほど、彼ら中学生は、このような奇をてらった宣伝文句に「理解できない!高校受験を目指して頑張っているのに、『バカ者』を求めるとはなにごとぞ!」と現実の厳しさを言いたかったのかもしれません。それにしてもこの駅看板、見回すと、どの企業もそのアピール度の強さに、驚きます。

 『一流を世界へ』が、某重機会社なら、某IT企業は『常識を越える発想と技術で世界を驚かそう』と、もはやグローバルに飛んでいます。東工大の最寄り駅であるので、このような理系企業のアピール広告が多いのでしょうか。某転職サイト看板は、『東工大、卒業した先輩たちはどこで活躍?』とOB訪問まで載せています。「よく来たね」と喜んで迎えてくれる先輩たちと巡り会えればよいなと、祈りたくなりました。

 私が引越しをしてきた50年前の大岡山駅は、くすんだ緑色の目蒲線が、カンカンと鳴る踏み切りを通る牧歌的な駅でした。でも今や、覇気を与えてくれる看板に埋め尽くされています。何か生き馬の目を抜く日本の最先端技術開発の激しさを彷彿とさせます。やる気にさせる啓発看板も大事だと思うのですが、去年、中刷り広告で文字だけの、今も忘れられないポスターがあります。それは「人をぶっちゃダメなんだよ」という暴力行為防止ポスターです・・・。

 

(写真と文 町田香子)

 

 

 

2020年4月(2)

まちだより

 

 

二世いろいろ!

  世の中で、想定外の困難事が勃発するとパチンコ屋が儲かり、お笑い番組の視聴率が上がると聞いたことがあります。私は昭和の傑出したお笑いは、「西川やすし・きよし」の漫才コンビだと思うのですが、先日、その「やすし」さんの息子の「木村一八」氏が普通にインタビュー番組に出ていて驚きました。

 10代でデビューし、ワルなのに寂しそう、未成年なのに逮捕時に実名で報道されたスキャンダラスな彼が、なんと181センチの大きな50歳のオッサンになっていたのでした。いまだに父親ゆずりの、アウトローな雰囲気は否めませんが、その彼の受け答えが、雄弁かつ、話の落しどころが実にうまいのです。父親を亡くして、やっと反抗期が終わったと語っていましたが、その呪縛が解けたような明るさに、やっぱりやすしさんの「話し手」の血が脈々と息子に流れているなあと実感しました。あらためて、政治家や歌舞伎役者の子もしかり、「親の背を見て子は育つ」という諺を思い出しました。

 かくいう私の実家は、祖父、父、兄と同じ某新聞社に勤務し、親子三代は珍しいと、ほとんど新聞販売店のように間違えられておりました。しかし、三代続いた職歴はここまでです。兄の長女はアクセサリー作家で店を持ち、次女は陶芸家の卵に育ちました。親とは別の道を歩んでますが、手先の器用さは日曜大工好きの兄の血を引いたと、妹の私は確信しています。 

 

(写真と文 町田香子)

 

 

 

2020年4月(1)

 

まちだより

ミルクボランティア挑戦の結果!

 前号に書きました「子猫ミルクボランティア資格取得」の結果が出ました。巷では、まだ桜はそんなに散ってはいないのに、見事にうちでは「サクラチル」という幕引きでこの挑戦が終わりました。

 やはり、最終段階の「町田家は飼育に適した住環境か」の獣医さん達の訪問がネックとなりました。忘れもしません、小学校の家庭訪問の親のように緊張し、獣医さんを迎えたあの日です。1週間前から掃除に励み、息子が「捨てないでくれ」と置いていった仏間のダンボールのレゴや壊れたエレキギターを納戸部屋に放り込み、掃除機をかけてスタンバイ。前夜には宿題を忘れて先生から叱られるという私のよく見る悪夢にうなされてもなんのそのと、お待ち申し上げました。 

そしていらした獣医さんのとった行動はさすがで、私の想定外でした。お風呂場を観察、いかに飼育する部屋と水場が近く、また衛生的であるか、写真をお撮りになり、また先に飼っていたうちの保護猫ハナコに質問が集中しました。「家ネコなら外に出ませんね」と聞かれ、「すみません、ノラ出身なのでどうしても築70年のこの家のどこかのすき間から出入り自由なもので」と答えると「すき間をふさがないとネズミやハクビシンが入って危険です」と返されました。そこで思わず、なんのとりえもない子どもを褒める親バカのように「それが、このハナコ、ネズミをやっつけてくれたんですよ!」と威張ってしまったのが、運の尽きでした。そのとき、獣医さんのマスクの上の目が大きく見開いたのを見逃しませんでした。

 後日、結果は獣医さんから、「やはり先住ネコが運ぶ菌が赤ちゃん猫の命を落とすことになりえます」と、わざわざ電話でナマのお声を聞けたから納得です。私の半年間にも及ぶ研修はハナと散りましたが、膝に乗ってくるハナコがもっと愛おしくなったのが不思議です 

 

(写真と文 町田香子)

 

 

 

2020年3月(2)

 

まちだより

開花の知らせが届くようになりましたが、今年はどうも花見は無理そうです。ささやかですが、この「まちだより」でお楽しみください。


ミルクボランティア

 小さな時から犬も猫も飼っていて、部類の動物好きです。学生時代、就職先は上野動物園だと真剣に考えたこともありました。なので、去年の秋に川崎市の広報紙で「ミルクボランティア募集」を見たときに思わず応募したのです。

 その記事は、「動物愛護センターに収容される野良猫の半数近くはまだ目も開かない幼猫である。その子たちの命を救うために、一般市民からミルクを与えるボランティアを募集、離乳したら譲渡会に出して暖かな家庭に送り出す」という内容でした。生まれたての手のひらサイズのベイビーキャットにミルクをあげるなんて、まるで夢のよう!と勇んで、センターでの最初の講習に出席しました。しかし、その厳しい内容にこれは大変な事になったと一瞬、思考が止まりました。

 まずは、犬猫に関する法令や適正飼育などを学び、次に具体的な飼育方を教わりました。ケージや粉ミルクの自己負担は良いとしても、毎日体重を測ってメモし、授乳のため昼間の外出は3時間以内、夜中は2時間おきに授乳とのことです。こりゃあ、子猫を助けるよりも60歳を過ぎた私の命のほうが危ないと思い、家族に応援を要請しました。年末の2回の研修後には理解度の小テストがあり「乗りかかった船だ、最後まで降りぬ」の父ゆずりの血でなんとか無事に合格しました。しかし今年1月に待っていたのは個別面接でした。面接試験など、40年前のKDDの就職試験以来です。緊張しながら面接室に入ったら、なぜか薄緑の職工服の方々がズラリと並んでいます。KDD研究所を思い出していたら、全員が獣医さんとわかりました。これも無事突破したのですが、今月大きな最終段階が立ちはだかっていました。「町田家」が飼育可能な家かどうかの獣医さんたちの訪問です。

 この顛末は今度書かせてください。まだ合否結果は出ていないのですが「サクラサク」を信じる毎日です。 

 

(写真と文 町田香子)

 

 

 

2020年3月(1)

 

まちだより

元気いただきました!

 新型コロナ感染ニュース関連の情報が多すぎて戸惑う日々が続いていますが、この暗雲を吹き飛ばすごとく元気な方々とお会いしてきました。それは、父が卒業した「海軍経理学校第35期」の同期会です。御年95歳のカクシャクとした男性3名様を、私たち二世がお迎えしました。父親をすでに亡くしている二世たちですが、父親の面影を求め、開催のたびに参加させていただいています。

 この3名の方々のお元気な事と言ったら、もはや一緒に会っていただきたいほどです。まずはA氏、大阪からの夜行バスで東京に着くやいなや、靖国神社に参拝して会場へ。2番目のB氏は未だに現役の公認会計士さんで、社名を聞けば誰でもわかるパン会社の設立当時からの重鎮。私が「あのパンのモチモチ感、良いですねえ」と申し上げれば、少年のような笑顔が返ってきます。極めつけの大トリは、舞鶴の海上自衛隊の元総監で航空母艦「鵬翔」に乗っていたC氏。今年中には免許返納するとおっしゃりながら、電動自転車は毎日乗車、夕食のお買い物は欠かさないとのことです。しかしながら、月に1、2回は自転車ごと、ひっくり返るそうで、「なんで、転ぶと骨にヒビが入るのだ!しかしながら、ほっとくとくっつくから不思議だ!」と平然とおっしゃるので、こちらのほうこそひっくり返りそうでした。ビール瓶の栓をまだ自前の歯で開けられるとの一言には、「やってみたまえ」と命令されたらどうしようと、思わず自分の歯を隠しましたっけ。

「貴様のあの相撲は強かった、しかし水泳はオレのほうが上だ」などと負けん気の強い若き主計科候補生に戻った95歳の方々の背筋はいまだにピンとしています。遠い昔の帝国海軍の底力を彷彿とさせるあの方々には、菌も怖くて寄り付かないだろうと、元気をいただいた若輩者でした。 

(写真と文 町田香子)

 

 

2020年2月

 

まちだより

冬の花

 長崎の後輩から、梅の花の上で鳴くウグイスの写メが送られてきました。梅に続いて、春の花であるフリージアやチューリップが咲き始めればその華やかさに、冬の花であるシクラメンやスノードロップの影が薄くなり、今その花々に愛しさが募ります。

 冬の花といえば、記憶に残っている映画があります。40年以上も前に観た、字は違えど「冬の華」です。高倉健主演の映画でしたが、はっきりと記憶に焼き付いていのるは、出所したケンさんが、組が用意したアパートでパンにイチゴジャムをつけて食べるシーンです。それも真っ白な食パンと真っ赤なイチゴジャムのコントラストが鮮やかで、パクつくかと思いきやジャムの香りをかいでから、再びテンコ盛りに乗せてかぶりつくケンさんの姿が印象的だったのです。20歳の私は、鉄格子から放免になった男の人は、こんなに美味しそうにパンを食べるのかと、ビックリしましたし、あれほど真っ赤で綺麗なジャムには2度とお目にかかったことはありません・・・。

 今や、ケンさんも亡くなってしまい6年がたちます。命日は、父と同じ2014年の11月でした。ケンさんが、ジャムなら、父はマーマレード派だったし、おまけにアンパンには必ず「おい、バターだ!」なんて言ってたなあと思い出にふければ、冬の草原にポツンと立つような寂しい自分がいます。なぜか、冬の花たちよ、春の花に押されず、いつまでも元気で咲き誇っていいんだよとつぶやきたくなりました。

 

(写真と文 町田香子)