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まちだより
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母の日に想うこと    

 

 

 アメリカ南北戦争で南北双方の負傷した兵士たちを看護したある女性。20世紀初頭にその娘が、亡き母を慕い、立ち上げたと言われているのが「母の日」の由来だそうです。人は皆、母親のお腹から産まれ成長し、そしてその母からの影響を受ける人は多いと思います。それは作家の世界にも言えるのでは。母へのやるせない愛が根本になっている小説家・太宰治もいれば、母を慕う詩人ならサトウハチローでしょうか。
 私も厳しくも面白かった母親の影響を受けた一人です。小さい頃、言うことをきかない私に、「ゴミやさんにあなたを持っていってもらいます!」と言われたときは、母は鬼だと思いましたし、「私は九州の平家の落ち武者の娘です」と居住まいを正して語った時は、母の頭にチョンマゲが見えるほど頼もしく感じました。また、「娘がほしかったから、女の子を産むまで産み続けます!とお祖母ちゃんたちに宣言してたのよ」と聞いたときは、なぜかとても嬉しかったです。でも、そのあとに言わなくてもよいオチがありました。「あなたが産まれてきたときは、本当に可愛いかったわ。でも可愛いがりすぎて、勉強の方はイマイチだった」と・・・。それを聞いて、いつもゲラゲラ笑っていた私ですが、最近それを思い出すたび、死ぬほど私を産みたかった母の気持ちがありがたく、感謝と切なさで泣けてきます。
 可愛がられすぎたせいでしょうか、毎月の墓参は雨が降ろうが槍が降ろうが、這ってでも行く義理人情に厚い娘に育ったような気がします。今年の秋に、母の七回忌を迎えますが、会食はすでに母が大好きだった中華街の店に予約済みです。お酒の飲めなかった母ですが、きっと一緒に楽しんでくれること間違いなしと、かってに思っています。

 

映像:坂口行雄 写真:樫村慶一
文:町田香子

 

 

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