第35回

 

 

没後300年記念《英一蝶展 風流才子、浮き世を写す》
2024.9.18-11.10 サントリー美術館
国内外の約90件を集めた、過去最大規模の回顧展

 

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 英一蝶(はなぶさ・いっちょう)なる人物をご存知だろうか。江戸時代に活躍した絵師であり、市井の人々を活写した独自の風俗画を生み出したことで知られている。生き生きとした人物描写とユーモアあふれる視点で一躍人気絵師へと上り詰めた才人。当時の人たちの動きや顔の表情が微細にわたり描かれていて、江戸の町民の空気感が伝わってくる。丸みを帯びた線、特にぽっちゃりした顔に愛着がわいてくる。
 洒脱さと美意識と新鮮な感性、それらは俳諧を通して培われたと推測され、俳諧もたしなむほど多才の人であった。そのマルチな才能に驚かされる。
 

 

生涯を辿ってみよう。
1652年 京都生まれ
1666年 15才 江戸に下って狩野安信に入門 20代の頃から松尾芭蕉、室井其角、服部嵐雪らと交友し俳諧の世界に親しむ 40代 幇間(太鼓持ち) 生類憐みの令を風刺した浮説「馬の物言う」の流言にかかわったとして逮捕 
1698年 再び牢獄 三宅島へ流罪 流謫中に代表作が描かれている
1709年 58才 江戸へ戻る。このとき画名を多賀朝湖(たが・ちょうこ)から英一蝶に改める。旺盛な制作を開始しまた幇間としても再び活動を始める。都市風俗画に加え戯画の画家としても売り出した
1724年 73才で没す

 展覧会では仏画、風景画、花鳥画と多様な作品が並んでいた。狩野派絵師としての自負を強く持ち続けていたことがうかがえる。会場をまわりながら、葛飾北斎(1760-1849)のような知名度があってもいいのではないかと思ってきた。なぜ英一蝶は北斎ほど知られていないのか。時代が北斎より約100年上がること、北斎漫画のような民衆が親しむことのできるものがなかったこと、北斎画がジャポニスムブームを創る要因となったモノの緩衝材としてヨーロッパへ渡ったという違いなどからかと憶測してみた。
 学芸員の言葉が印象的である。「スナップショットを撮るように、目の前のものをいきいきと切り取っている。さらさらと自由に描いているように見えるが、ベースとなる絵画技術がしっかりとしている。多岐にわたるジャンルを描く力があり、知識も豊富」

  なにわともあれ、11/10(日)まで開催中ですので、ぜひ会場に足を運んでみていただきたい。風流な江戸に出逢えることでしょう。

(2024.11.1)

 

 

 

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島崎さんへのメッセージ

坂口さまへ いつもありがとうございます。

坂口さま

 いつもありがとうございます! 

美術館めぐりは本当に魅力にあふれていますね。

次回はこれをご紹介しようかしら、といつも胸ときめかせているんですよ。

関連本も読みたいですし、目まぐるしくて、いつもうれしい悲鳴を挙げております(笑)

 ひきつづきよろしくお願いいたします。

 

 島崎 陽子

島崎さんこんにちは!

島崎さんこんにちは。

k-unetの坂口です。

今回の英-蝶展拝見しました。浮世絵いいでね。勉強になります。

島崎さんの美術散歩は2020年から始められたのですね。

素晴らしいです。

これからも2か月後の作品を

楽しみにしています。

寒くなりましたので気をつけて下さいね。

まちだよもよろしくお願いします。

スマホからのですので上手く書けませんがごめんなさい。

 

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