第32回

 

 

モネ  連作の情景

 

2024年 2月10日  - 5月6日  大阪中之島美術館
2023年10月20日  - 1月28日  東京・上野の森美術館


 (本稿掲載の睡蓮の作品画面をクリック(タップ)すると大きく表示されます。 )

クロード=モネ 1840-1926
印象派を代表するフランスの画家

 昨年、上野の森美術館で観たモネの展覧会が大阪で開催中、連日の賑わいを見せている。モネの作品のみ60点以上の大集合、壮観であった。モネの息吹を感じ、郊外の自然の中からこぼれ落ちる繊細でやわからい光に包まれ、台頭し始めてきた美しい近代市民生活の豊かな未来を垣間見てきた。

 今回は、モネの「睡蓮」に焦点をあて、「睡蓮」に関連するエピソードを紹介していきたい。
 1883年にモネは、亡くなるまで過ごすこととなる、パリから西へ80キロほどに位置するジヴェルニーに移り住んだ。1901年、土地を購入して池の拡張工事を行い、大きくなった池にモネが好んだ日本の浮世絵で使われる太鼓橋の下、睡蓮を植えていった。池の周囲には柳や竹、藤など日本美術から影響をうけた植物も植えていく。
 1880年代、モネ40代になるとモネは連作という手法を確立していき、より自由で自分らしい独自の描き方を編み出していった。同じ題材をモチーフに、早朝から日没までの移ろいゆく時間、天候や時間による光の微妙な変化を抽出し、キャンパスに映し出していった。光の効果を探求し、光を追い求める画家として名声をとどろかせていったのである。
モネは生涯に渡り、連作の手法を含めて200点以上の睡蓮の作品を描いている。

 

 

 

 モネと元首相クレマンソーとの交友はよく知られていて、クレマンソー自身も日本美術のコレクターであった。クレマンソーは、印象派が評価されていなかった初期の頃から印象派を支持し、モネとの友情は生涯にわたって続いた。モネは、1918 年に第一次世界大戦の勝利を祝福するため睡蓮連作の大作を国家に寄贈することをクレマンソーに約束し、クレマンソーは、睡蓮を展示するための個室を用意しようと、オランジュリー美術館を整備することにした。
 晩年のモネは白内障を患い失明の危機に陥って睡蓮の制作を諦めかけたときがあったが、その時にもクレマンソーはモネを励まし続け、1926年12月、クレマンソーは死が迫ったモネのもとに駆け付け、モネはクレマンソーの腕の中で息を引き取ったと言われている。モネの死後の 1927 年、睡蓮を収めたオランジュリー美術館が開館した。

 オランジュリー美術館にモネの睡蓮の連作が展示されたころ、この絵を観るために訪れる来訪者はほとんどいなかったという。一般公開から約2週間後、「昨日、オランジュリー美術館を訪れたが、誰一人としていなかった」とクレマンソーは記している。フォーヴィズム、キュビズムなどの新しい流派が生まれ、モネは時代遅れになってしまっていた。その後1950年代の再評価を通して評価を確立していったが、その評価も時代の波にもまれて変転してきた。
 そして今、世界各国からモネの睡蓮の大作を観るためにオランジュリー美術館を訪れる人は絶えることがない。

 オランジュリー美術館
睡蓮の間

(2024.5.1)

 

 

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島崎さんへのメッセージ

坂口様 メッセージありがとうございます。

坂口様

メッセージありがとうございます。とてもうれしいです。

モネの睡蓮、仰る通り、本当に素晴らしいです。

特に今回、本投稿のためにあれこれ調べていましたら、

様々なバリエーションの睡蓮があることを知りました。

今後の展覧会でモネの作品に対面することが、益々楽しくなってきそうです。

どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

 

島崎 陽子

こんにちは。

こんにちは。島崎さん。

坂口と申します。

ご無沙汰しています。

今回の美人散歩のモネの紹介ありがとうございます。

素晴らしいですね。

日本の睡蓮の絵画素晴らしいです。

すいれんと読なかったです。

頭が悪のでごめんなさい。

また、楽しみにしています。

よろしくお願いします。

ゆっくりして下さいね。

スマホからの島崎さんへのメッセージですので上手く出来ませが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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